こんにちは、リワインド渋谷店スタッフのアルです!
『ピックアップアイテムFROM渋谷店』
前回のイグジット8に続いて、第76回はDUNCANのフリーハンドALです。
ダンカンのフリーハンドといえば近代ヨーヨー史の不朽の名作だが、一概にフリーハンドと言ってもバージョン違いやロゴ違いが山のようにあり、人によって思い浮かべる物は違うだろう。現行のフリーハンドは「フリーハンドネクストジェン」であり、最近ヨーヨーを始めた人にとっては、それこそがフリーハンドである。
今作「フリーハンドAL」は、そのフリーハンドネクストジェンをベースに開発された。形状はもちろんのこと、キャップまで同じように48mmサイズで作られている。キャップに関しては、「物理的には外せるが、推奨はできないくらいの硬さ」で取り付けられており、リワインドでも試してみたが、気軽に外せる感じではなかった。そのため、当店では「※通常、キャップの取り外しはできません。」と表記しているが、一応外せる「構造」にはなっている。
実は過去にも同名の「フリーハンドAL(旧型)」が発売されている。この時は、当時のラウンドシェイプのフリーハンドをベースに作られており、単純にプラスチックからアルミニウムに置き換えただけのような物であったため、大会で使用されるような機種ではなかった。どちらかと言うとコレクションモデルのような位置付けだったので、好きな人だけが買っていった印象だった。新型のフリーハンドALも、大会での使用率が多くなるかと言えば疑問だが、旧型に比べれば各段に性能は上がり、「現代版」として使いやすくなっている。
新型フリーハンドALは、キャップが付いていることでいわゆる「中空構造」のヨーヨーのようになっている。その他の中空構造のヨーヨーを思い浮かべると、プラグマなどのリム部分が中空構造になっている物は少し趣旨と異なり、ボディ全体が中空構造になっている物でとなるとダイエシスやDK等があったが、現在手に入る物と言えばシェルパくらいしかない。そのシェルパも完全に「遊ぶヨーヨー」の方に振っている。
その点フリーハンドALは、良くも悪くもネクストジェンのままなので、幅の狭さや重量配分に関してウィークポイントと取る人もいるかもしれないが、現代のメタルヨーヨーとしての性能をキープしながら中空構造独特のフィーリングが味わえる。フリーハンドALでしか成しえない使い心地の良さがそこにはある。
そういう意味では、他のどのヨーヨーがどれだけ使いやすいとか、どれだけ回るとか、もはやそんな議論がナンセンスに感じるほど独自の方向に進んでいる稀有な存在だ。「フリーハンド」の看板を背負い、世界中のファンが待ち望んでいた物がようやく誕生した。