こんにちは、リワインド渋谷店スタッフのアルです!
『ピックアップアイテムFROM渋谷店』
第21回はヨーヨーファクトリーの金属リムヨーヨー、ポリエッジです。
ポリネシアとポリカーボネイトのダブルミーニングである“Poly”を頭に付けた「ポリエッジ」は、エヴァン・ナガオ選手(2018年1A部門世界チャンピオン)のシグネチャーモデル。アルミとステンレスのバイメタルモデルだったエッジのアルミ部分をプラスチック(ポリカーボネイト)にお置き換え、金属リムモデルとなったのがポリエッジだ。彼が住むハワイと、ニュージーランド、そしてイースター島を結ぶ大三角形(ポリネシアン・トライアングル)にある島々の総称をポリネシアと呼ぶそう。広大な太平洋の島々に根ざした民族の、屈強な肉体を持った男性の力強さや、腰巻を纏って踊る女性のしなやかさ、そんなポリネシアの文化的側面をヨーヨーに落とし込んだような…とは考えすぎかもしれないが、ステンレスリムの硬さや、ポリカボ特有のしっかりとした感じと透明感が特徴のポリエッジは、ポリネシア柄のアートワークがよく似合う。
どこかで似たようなフィーリングのヨーヨーを使った気がするけど何だろう…と何日か考えて、ようやく気が付いた。ヨーヨージャムの「ベクスト」だ。ミッドシップウェイトの金リム機種の中でも高評価だったと言えるベクストは、ヨーヨージャム後期の名作だが、あまり日の当たらないまま姿を決してしまった。僕はベクストのウェイトバランスと操作感が好きだったが、まだまだ伸びしろがあるなとも思っていた。そんな伸びしろを全て埋めて完成したのがポリエッジではないかと思うほど、本作の満足度は高い。
本来、ポリカボという素材は透明性や耐衝撃性に優れているため、水槽やオートバイの風防などに使用されている。変形しにくい一方で、加工しやすいため、多くの玩具でも使用され、もちろんヨーヨーにもポリカボ素材のものは多い。(余談だが、ウィキペディアのポリカーボネートには、製品例としてハイパーヨーヨーが載っている!)さらに軽いのも特徴で、ベースとなるフォルムをポリカボで成形し、そこにステンレスのリムを付けて重量感、安定感、回転力をプラスするという製法は、ヨーヨーとして理にかなっている。ポリエッジは、エッジシリーズの中でも製法が独特ということもあり、投げ出しからプレイする時の感覚、そしてキャッチまで、ポリエッジでしか味わえない個性的かつ素直なフィーリングだと思う。リムが外周ではなく内側寄りのミッドシップウェイトなので、ガッツリ回る感じではないが、十分な回転力はあり、不満はない。エヴァン選手が活躍していることで生まれたコンセプトモデルような存在なので、手に入るうちに入手することをオススメする。