リワインド渋谷店スタッフのアルです!
前回のアトムスマッシャーに続いて、第178回はCLYWのゴージです。
先日発売された「ディッチ」のベースとなったヨーヨーということで再注目されたCLYWの「ゴージ」は、2016年に発売されたインナーリム型のバイメタルモデルだ。昔ながらのラウンドシェイプが特徴で、幅も狭く、大きめ。発売当時、トレンドとは逆行したヨーヨーだったため異彩を放っていた。しかし、「トレンド」という意味で言えば、昨今こういったヨーヨーが好まれる傾向があり、ようやく時代とマッチした感がある。
傾きにくく安定感がありスリープも伸びる競技志向なヨーヨーと、いわゆる「気持ち良いフィーリングのヨーヨー」と表現されるヨーヨー、その相反する2種類どちらも好まれるのが最近のトレンドで、「ゴージ」は後者のほうだ。ワンドロップの「パノラマ」やヨーヨーファクトリーの「コミューン」に代表されるような後者は、2000年代前半くらいに原点回帰したようなヨーヨーで、傾ければどんどん傾くし、傾きを直せばスッと直る。ストリングヒットの感触がダイレクトに伝わる。そういった直感的な操作感が「気持ち良い」と言われる所以であり魅力だ。
その中でも「ゴージ」はステンレスのインナーリムを搭載しているので、少し珍しい部類に入る。ゆったりと動かせるが、リムのサポートによって性能の底上げがされていて、力不足になりがちなところを補いつつ、先述の「気持ち良さ」を十二分に味わうことのできるオーガニックな形状が持ち味。ダンカンの「フリーハンドONE」もそうだが、20年前のヨーヨーを現代の設計で作ったらこうなる、というような懐かしさと新しさの融合をいち早くやっていたのがこの「ゴージ」かもしれない。