ターニングポイント「アンサンブル」【ピックアップアイテムFROM渋谷店#016】

こんにちは、リワインド渋谷店スタッフのアルです!

『ピックアップアイテムFROM渋谷店』

第16回は僕のシグネチャーモデル。ターニングポイントのアンサンブルです。

2018年某日、ターニングポイントのオーナーで、3A世界チャンピオンの木村健太郎氏(以下きむちゃん)から「アルのシグネで新しい3Aヨーヨーを一緒に作ろう」とオファーを頂いた。きむちゃんとは昔から一緒に3Aをやってきた仲だったし、現役選手ではない僕なんかのためにそんな話をしてくれたことがとても嬉しく思い快諾した。ベースとなっているのは栗田智也選手(2015~2018年3A全国チャンピオン)のシグネチャーモデル「エンタングル」で、栗田選手とのコラボモデルとも言える。

3Aをする際にヨーヨー同士が衝突する時の衝撃緩和と消音効果を狙い、外周にプラスチック(POM)のリングを付けたヨーヨーを作ろうということになった。メタルボディにプラスチックリムのヨーヨーは、過去に例が無い訳ではないが、ほとんど見かけない。言ってしまえばイロモノのような構造のヨーヨーを、ガチな性能のラインナップを次々にリリースしているターニングポイントが作ったらどうなるか、単純に興味があった。きむちゃんと2人で意見を交わし合い、開発は進められた。そして出来上がったのが「アンサンブル」だ。合奏や合唱を意味するフランス語の”Ensemble”と名付けた。メタルとプラが重なり合って調和している感じがピッタリだと思ったからだ。また、エンタングルと語感も同じという事も理由の1つ。

アンサンブルを作る上で1つだけ懸念していたことがある。それは回転力不足だ。一般的には外周を重くする方が回転力は上がるし、昨今のバイメタルヨーヨーはそのセオリーに倣って作られている。アンサンブルはその真逆を行く構造であるため、一抹の不安を抱えながらも、2019年2月、ついに完成品が上がってきた。結果的に、僕の不安は杞憂に終わった。元々、エンタングルは強靭な回転力を特徴とするヨーヨーで、エンタングルの下地があってのPOMリムモデルは、回転力不足を感じさせない出来となっていた。よく回ってくれるし、安定感も十分。きむちゃん曰く、「一見POMが分厚く見えるが、外周部にメタル部分も多く残してある」とのこと。さすがはきむちゃん、さすがはターニングポイント!と安堵。期待を上回る仕事ぶりは本当に頼もしい。

正式発売の前にサンプルをきむちゃんから受け取りテストしてみたところ、エンタングル同様3A使用を前提としているので、アンサンブルも3Aのやりやすさは文句なしに使いやすい。衝突時も音が響かない。キティストリングのXXLを短めにして使うのが相性良い。個人的には、これを手にしたら3Aでどんどん使い込んで傷だらけにしてほしいと願う。傷がダメージ加工のようになって、それがスプラッシュカラーのように見えてくる。傷1つ1つに使用者のストーリーが刻まれていく。そんな「育てるヨーヨー」でもある。

リワインド渋谷店のお客さんや渋谷ヨーヨークラブに参加された人たちに、僕の持っているアンサンブルを実際に触ってもらったのだが、意外と多かったのが「1A用としても使いやすい」という意見。メタル特有のソリッドなフィーリングがありながら、プラスチック特有の柔らかさも受けて、「振ってて気持ち良い」という意見も多かった。手前みそな話だが、ここまで気持ち良いメタルヨーヨーは他に無いと思うほど気持ち良いし、もはやこれはメタルヨーではなくて、極上のプラヨーなんじゃないかとすら思えてくる。ひつじ雲が空を流れるように、アンサンブルがストリングの上を流れていく。決して軽くはない重量なのに、するりするりと動いてくれる。金属とプラスチックの絶妙なアンサンブルを堪能してほしい。

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この記事を書いた人

1997年のハイパーヨーヨーブーム初期からヨーヨーを続け、幅広い交友関係を持つ。ヨーヨーコレクター。元チームヨーヨージャムメンバー。2003年世界大会3A部門準優勝。上野ヨーヨー練習会主催者。音楽と散歩が好きでのほほんとした性格だが、一人でふらっとどこへでも、神出鬼没に日本各地や海外にも出向く行動派。あだ名は「アル」もしくは「アルちゅん」。

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