インサイド・ループ/ループ・ザ・ループ(以下、ループ)というトリックがある。
前方へ投げたヨーヨーが手元に戻ってきたところで手首を返し、キャッチせずに再び前方へ投げる。これを繰り返すだけのシンプルなトリックで、ルーピングトリックの基本となる。ヨーヨーを始めた人が早い時期にぶつかる壁のひとつでもあるが、手首を返すコツさえ掴めば何十回、何百回でもできる。しかしこのループ、やっていくうちにストリングのヨリが緩くなる(左手で行う場合はきつくなる)という制約があるため、数百回が限界じゃないかと言われていた。
1997年〜の第1期ハイパーヨーヨーブーム時、ハイパーヨーヨーの発売元であるバンダイの、独自の記録挑戦企画があった。ロングスリーパーの秒数と、ループの回数を計測する2種類があって、全国ランキング化されていた。当時僕はK.W.G.というグループに所属していて、同じK.W.G.の新井教郎さんという人がループで1740回(1998年6月28日に記録樹立)という大記録を打ち出して全国1位に。その後、その記録が破られることはなかった。
僕は当時、新井さんが記録に挑戦しているところを実際に見ていて、あることに気がついた。彼はループ中に何度も「ビラ状態」になっていて、それがヨリを変える「サイドワインダー」と同じ効果を得ているのではないかと考えた。おそらく新井さんは意識的にやっていたのではなかったと思うが、「ビラってると長く続くんだ」と言っていた記憶があるし、「ビラによるヨリ調整」で回数を重ねていたのは間違いなかっただろう。
新井さんのビラループによる記録をヒントに、ループしてる最中にサイドワインダーを挟んで意図的に「ビラ状態」にしヨリを戻すという荒技を、ひとつのテクニックとして確立することにした。これをループ中に定期的に行うことで、理屈では無限に回数を増やせるようになった。が、実際にいったい何回できるのか?疑問だけ残し、挑戦することなく、月日は経っていく。
それから10年以上が経った2015年、リワインドでの誕生日企画として何しようかと思案している時に、頭の片隅にあったループの回数挑戦がよぎった。というか、今なら昔より正確にループもサイドワインダーもできるし、大人になった今なら体力も気力も集中力も続くし、それしかないと思った。こうして2015年6月、実際に挑戦することになる。ただし、無制限すぎるため、とりあえず1万回達成を目標にすることにした。とりあえずにしては前代未聞の果てしない回数である。
結果は6685回。1万回達成ならず!
序盤で「イケる」と思っていただけに、この時は本当に悔しかった。しかし再チャレンジするためには腕の痛みと気力を取り戻す必要があり、リベンジを誓いつつもしばらく挑戦は断念することにした。
そして数年を経て今回、ついに2度目の挑戦をすることに。
結果がどうなったかは、ぜひビデオでご覧ください!
↓↓↓↓↓ 本編 ↓↓↓↓↓
使用ヨーヨー:ヨーヨーファクトリー「ループ720」
使用ストリング:キティストリング(ナイロン)ノーマル
使用テーピング:フィンガープロテクター(ちなみに6重巻き)
余談だが、ギネス記録に申請を考えたのだが、「時間が無制限に出来てしまうチャレンジはギネスでは受け付けてない」とのことで、今回はそれに当てはまるため申請はできなかった。そのうち何か別の形で、ギネス記録にも挑戦してみたいと思う。
P.S
前回に引き続き、計測係と動画編集を担当してくれた慎也にお礼を言いたい。
ぶっ通しでカウントするのは本当に大変だったと思う。ありがとう!