【4A】オフストリングの歴史(トリック編)

岩倉玲さん(4A部門世界チャンピオン/C3yoyodesign所属)が「オフストリングの歴史・貴重な記録を、より多くの人に知ってもらいたい」という思いからDave Schulte氏本人に許可を得た上で翻訳を行ったものを本ブログに掲載させていただいております。オフストリングの歴史に引き続き、今回はトリック編です。

 

やってみよう!

時間を節約しつつオフストリングの基礎を身につけるためのコツをいくつかご紹介します。

1. バタフライ形状のヨーヨーを使いましょう。私の場合、柔らかいボディでギャップが広く、回転時間の長いバイパーを使っています。が、どんなバタフライ形状のヨーヨーでもトリックは可能です(ベアリング搭載機種ならば、より簡単に挑戦できます)。

2. 壊れやすい物が近くない、広い場所を探しましょう。

3. オフストストリングヨーヨーの基本的な巻き方についてです。まず、いつも通りに指にストリングをつけます。次に、ストリングの端をヨーヨーのスリットに入れながら持ち(ストリングの先端は広げません)、手に収まるまでストリングを巻きます。
注)フォワードパスマウントが一番基本の技です。投げた時に、ヨーヨーはあなたに向かって回転します。

4. 4フィートほど離れつつ、壁を背にして立ちましょう。練習中に、ヨーヨーが遠くに転がって行ってしまうことを防ぐことができます。オスストリングを諦めてしまう人のほとんどが、ストリングでのキャッチをミスしたあと、ヨーヨーを追いかけるのにうんざりしてしまうのを理由にしています。

5. シュートザムーンの1投目のように、斜め前にヨーヨーをスローしましょう。ストリングをつけていない側の手の人差し指でヨーヨーがストリングから離れる前にストリングをつまみます。こうすることでヨーヨーは上にあがり、自分の方に少し戻ってきます。最初は難しいですが、練習を続けましょう。
注)フォワードパスのようにスローする人が時々いますが、それだと上にも下にもいかず、まっすぐヨーヨーは飛んで行ってしまうので、ストリングでキャッチするのが難しくなってしまいます。最初にスローするときは、上に向けてなげるのが一番大事です。

6. ヨーヨーがストリングから離れたら、ストリングを両手で持ち、キャッチするためにスリットとストリングの位置関係を調整しましょう。この際、ヨーヨーが着地できるように若干のたるみをストリングに持たせておくことが重要です。

7. 無事ストリングでヨーヨーをキャッチできたら、今度は巻き戻さなければなりません。ストリングの端を持ち、軸に巻き付けてください(自然とストリングが交差するようになります)。ヨーヨーが手元に戻ってきて、再度投げる準備が整います。

8. 投げ出しとキャッチが完璧になったら、その間にトリックを追加してみましょう。
コツ)ストリングでキャッチしたあと、ヨーヨーが傾いて落ちてしまうようであれば、ストリングの先端を左右に動かしたり、ストリングを緩めたりして傾きを修正してみましょう。

 

マウント

最近だと他のマウントも使われていますが、ここでは割愛します。

1. Forward Pass 4. Drop 7. Threw the legs
2. BrainTwister 5. Throwdown 8. Trapeze
3. Bottom 6. Over the falls 9. Shoot the Moon

 

トリック

ほとんどのトリックは「作り出された」のではなく、自然と「生まれて」いったものだと私は考えています。「新しい技を作ったから見て!」と言いながら、ブランコを見せる初心者に、これまで沢山出会ってきました。いきなりヨーヨーを指につけられて、何の解説も見なければ、人は技を勝手に作りだすでしょう。これはオフストリングでも同じです。世界中で多くの人がこのプレイスタイル(オフストリング)に挑戦しており、トリックも進化・発展しています。以下のリストのトリック達は誰かひとりが作ったものではなく、多くの先人たちによって見つけ出されたものです。
全てのトリックはフォワードパスマウントをした後からの説明になっています。

スローダウン/フォワードパス:ヨーヨーを前か下に投げますが、その際、ストリングの端にヨーヨーが到達する前に少し引っ張ってみましょう。ヨーヨーがストリングから外れることなく、巻き取られるはずです。そして次のスローでストリングからヨーヨーが外れることで、見ている人を驚かせることができるでしょう

タイトロープウォーカー:ストリングの端から端を伸ばしてください。ストリングをまっすぐ保ちつつ、少し片側に傾けることで、ストリングに沿ってヨーヨーが滑っていきます。

エレベーター:ストリングの端を指に引っ掛けながら引っ張り、ヨーヨーのスリットに沿ってストリングを下にスライドさせます。ヨーヨーが”最上階に到着”するまで、ストリングを引っ張ってください。

バレルロール:ストリングをつけていない側の手の指を、ストリングに沿ってヨーヨーの下をくぐらせ、前後に動かします。ヨーヨーが転がるように指の上を通過します。

ピクチャートリック:ピクチャートリックは観客をとても楽しませるトリックですが、オフストリングでも可能です。
スパゲッティ、スター、タワー、など

トラピーズ:身体を横向きにして、ストリングをつけていない側の指に向かってヨーヨーをスイングさせ、ストリングの上に乗せます。
さらに複雑な技としては、サマーソルトの動きを加えることができます。

バウンス:ストリングで大きな輪をつくり、両手を輪の中に入れ、横に広げます。ヨーヨーがまっすぐになるよう気を付けながら、空中にヨーヨーを跳ね上げ、もう一方のストリングでヨーヨーをキャッチします。この一連の動きを繰り返します。

バウンスキャッチ:硬くて表面が滑らかな場所に向かってヨーヨーを投げ、地面にバウンドさせるとヨーヨーが戻ってきます。ストリングは真っすぐに保ち、スリットとストリングの位置関係に気を付けつつ、ヨーヨーをキャッチします。
リジェネレーショントリックの中盤に挟むと良いでしょう。

ロックザベイビー:ストリングの端を右手で持ち、大きな輪を作ります。ヨーヨーを持っていない側の手で外側のストリングを手前に引き、大きな三角形を作ります。三角形の間でヨーヨーを揺らし、ロックザベイビーの完成です。

スーサイド:身体を横向きにして、円を描くようにヨーヨーをストリングの上でスライドさせ、自分の右上にくるまで(左利きの人は左上にくるまで)揺らします。そしていよいよスーサイドのパートです。ストリングの端を腕が交差する前に離し、ヨーヨーをそのまま移動させます。戻ってきたストリングの端をつかむと、ヨーヨーが元の位置に戻るはずです。できる限りスピーディーにリピートさせることで、見栄えが良くなるでしょう。

ボディホップ:身体の任意の部分を(足、腕、方、首、など)をストリングの上に位置させます。正しい位置関係が作れたら、身体を越えてヨーヨーをホップさせ、反対側のストリングでキャッチします。これを身体のいろんなところで、何回もリピートさせることができます。

ウイップキャッチ:この技は見ている人をかなり喜ばせることができます。バウンスのあとに披露するのがベストですが、もちろんどのタイミングでも可能です。ストリングを大きな輪の状態にして持ちます(輪がなるべく大きくなるような指の位置をキープしてください)。輪の頂点をずらし、ヨーヨーを外に投げ出します。落ちてきたヨーヨーに対し、ストリングの輪を揺らし、スリットを狙ってストリングの片方を引っ掛け、キャッチします。

 

今後、まだまだ新しいトリックが出てくるでしょう。練習/思考錯誤をすることで、あなた自身がトリックを発見してください。


 

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(Dave氏の当時のアドレス)

取材情報元:Dale Oliver, Jon Gatesとの電話インタビュー

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この記事を書いた人

1997年のハイパーヨーヨーブーム初期からヨーヨーを続け、幅広い交友関係を持つ。ヨーヨーコレクター。元チームヨーヨージャムメンバー。2003年世界大会3A部門準優勝。上野ヨーヨー練習会主催者。音楽と散歩が好きでのほほんとした性格だが、一人でふらっとどこへでも、神出鬼没に日本各地や海外にも出向く行動派。あだ名は「アル」もしくは「アルちゅん」。

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