リワインド渋谷店スタッフのアルです!
前回のウィルダネス7075に続いて、第271回はジャパンテクノロジーのウラクサスです。
ジャパンテクノロジーの「ウラクサス」は、バイメタルモデル「ウラクタル」をベースに作られたフルステンレスヨーヨーだ。プロトの段階では「フラクタル」がベースだったそうで、ルーツを辿れば「シャクシャイン」の系譜もあり、ある意味JTの設計思想の王道の果てに行き着いたステンレス製ヨーヨーの回答と言えるかもしれない。王道であり、個性的。アルミともチタンとも違って、ひとたび振れば新たな世界が拓けるだろう。
ステンレスという素材は、バイメタルヨーヨーのリムとして採用されることが圧倒的に多いが、ボディ全体がステンレスのヨーヨーというのはかなり少ない。その理由のひとつに、アルミのヨーヨーを設計する感覚でいると、ステンレスでは重量が重たくなりすぎる問題がある。実際、綿密に練られた「ウラクサス」でさえ実重量は69.8gと、重量級の部類に入る。しかし、そんな重さが気にならないくらい、良い意味で期待を裏切られる体感重量とのズレがある。スペック上の数値は鵜呑みにしないほうが良い。
手に持った状態では確かにズッシリと感じるが、全体的にとても扱いやすく、ヨーヨーを振っている時に感じる操作性の良さや動かしやすさは、ストレスにならず心地よさすらある。重量感だけでなく、ステンレスならではの硬くて鋭いタッチの感触もそうだが、ひとつ間違えればデメリットにもなりかねない難しい部分を、全てポジティブに変えていくバランス感覚が素晴らしい。ステンレスヨーヨーだから凄いのではなく、難しい食材を絶品料理に仕上げた「ウラクサス」が凄いという話。高価ではあるが、もっと脚光を浴びてほしいヨーヨーだ。