プラグマ開発秘話

ヨーヨーストアリワインド渋谷店スタッフの羽角伊弦(はすみいづる)です。

今回は自分自身の経歴と自分のシグネチャーモデルのヨーヨーである「プラグマ」が完成するまでの過程を紹介できたら幸いに存じます。

自分についてお話しをする機会というものがあまりありませんから、所々理解し難い箇所やくだけた言い方などが出てくるかもしれませんがどうかご容赦ください。

1.羽角伊弦とは

私について全く知らない人、知っているけどあまりどういう人物か知らない人も少なくはないと思うので僭越ながら自己紹介をさせていただきたいと思います。
私、羽角伊弦は大学生のヨーヨープレイヤーです。愛知県出身で今は東京に住んでいます。今年で21歳になり、ヨーヨー歴は10年となりました。
ヨーヨーを始めたのは2010年の2月、小学5年生の頃でした。今でも始めた時のきっかけ、日にちをしっかりと覚えています。
私はそこからめっきりヨーヨーに夢中になってしまい、無我夢中になってヨーヨーの練習をしていました。
約1ヶ月でハイエンドのフルメタルヨーヨーを購入し、客観的に見てもメキメキと腕を上げていったと今でも思います。
そしてヨーヨー歴が1年も経っていない状態で2011年の中部地区大会(CJ)に出場しました。結果はボーダーで予選落ちだったのですが、10位以内であったので全国大会(JN)の出場権を獲得することができました。当時の自分はたしかに嬉しかった記憶はありますが、大会の結果よりも練習をして技をすることの楽しさの方が勝っていたのであまりなんとも思っていなかったと思います。おそらく同じ時期にヨーヨーを始めた子どもたちの中で全国大会出場権を獲得したのは自分だけであったと思います。
その後もヨーヨーに熱中して練習しつづけまして、気づけば多数の大会に出場していたりヨーヨー仲間がたくさんできていました。今でもヨーヨー仲間は掛け替えのない友人ばかりです。

遅くなりましたが大会での個人的に特筆すべき経歴を紹介させていただきます。

・2011ハイパーヨーヨーフェスティバル(全国大会)ロングスリーパー一般部門 優勝
・2012 浜松ヨーヨーコンテスト 1A部門 優勝
・2013World yoyo contest 1A Final 6位
・2014中部地区大会1A部門 準優勝
・2015東日本地区大会 1A部門 準優勝

・2016東日本地区大会 1A部門 優勝
・2017西日本地区大会1A部門 優勝
・2018 九州地区大会 1A部門 優勝
・2019 九州地区大会 1A部門 優勝

2.プラグマができるきっかけ

実はプラグマは2つめのシグネチャーヨーヨーでして、1つめは「シンギュラリティ」というヨーヨーがあります。

これらは共にSUS YOYO MECHANICSさんにヨーヨーの制作にご協力いただき、生まれています。SUS YOYO MECHANICSさんには感謝してもしきれません。

今回のプラグマはそのシンギュラリティを約一年使ってみて自分にとって改善したい点を克服したものになります。
もともと名前はシンギュラリティの名前を引き継ごうと思っていたのですが深慮熟考の末、別の名前をつけることに決めました。

たしかにシンギュラリティはもちろん動かしやすくクセのない高性能なヨーヨーで、競技ヨーヨーとして十分使えるレベルではあるのですが、自分にとって大会で使うのは少々懸念材料がかなり多いものとなっていました。

私は人前に出た時にかなり緊張してしまう性格で大会のステージに上がるとかなり緊張してしまうのですが、緊張するとなぜかヨーヨーって軽く感じたりするんです。軽く感じるだけではなくいつもやってる技が遅く感じたり、いつもできる技ができなくなったり腕が痺れてきたりする現象が起きたりします。(あれってなぜなんでしょう…?)
このことから緊張することは多少和らげることができても無くすことはできないのでそれなら「緊張することを前提にしてヨーヨーを作ればいいのではないか」という考えに至りました。これがシンギュラリティからかなり大きな変更が加わった点です。
これを踏まえて、大会で緊張してもしっかり重量感を感じながらヨーヨーを動かすことができるように重量は重く、そして難易度の高い技を安定してできるようにとステップを1つつけて、より安定的な形に変更しました。

(左: シンギュラリティ、右:プラグマ)

これによりステージ上で高いパフォーマンスを発揮することができます。

プロトタイプは66.6gと65.6gの2種類が存在しており、しばらくの間使用してみてどちらかを製品版にしようかを考えていました。
そしていろいろ考えた結果、65.6gのものを製品版にするという結論に至りました。なぜならやはりシンギュラリティの64.6gから66.6gの変更というのはやはり大きすぎる変更であり、自分が順応するのにかなりの時間がかりました。
それに比べて65.6gバージョンのプロトタイプは66.6gバージョンの安定感を持ちつつも重さはそこまで重く感じない、しかも回転力も全く落ちていないというまさに自分が求めていたものを全て兼ね揃えたものになりました。
これらの過程を経て、ついに製品版のプラグマが完成しました。自分自身では最高傑作の出来になったと自負しています。

3.プラグマという名前をつけた理由


まず前提として、シグネチャーヨーヨーを持つプレイヤーは基本的にさまざまな形でヨーヨーに名前をつけています。
自分の好きな作品(小説、漫画、曲など)において登場した単語や名前をつけたり、ヨーヨーができる過程でいろいろなストーリーがあり、それに因んだ名前をつけたり、自分の大切な人の名前から取ってつけていたりしています。(自分の身の回りの人から聞いた話)
ですのでヨーヨーの性能だけでなく違う面からアプローチしてみるとシグネチャーヨーヨーの魅力がより一層増すと思います。

そして私はシグネチャーヨーヨーというものに強いこだわりを持っています。なぜならシグネチャー、つまり自分専用のモデルが出るということです。であるので自分のこどものような存在として考えているので名前もちゃんと意味を込めてつけてあげたいなと予てより考えていました。
ですのでシンギュラリティ、プラグマ共にストーリー性を持ち、それに因んだ意味をしっかりと名前に込めています。
シンギュラリティについてもお話ししたいのですが、それはまたの機会でお話しできればなと思います。

プラグマとはギリシャ語であり、行為や事実、問題などというさまざまな意味があります。プログラミングでの用語などにおいてもこの言葉は存在しています。
また、実用主義や道具主義として用いられるpragmatismの語源ともなっています。
しかし私はこれらの紹介した意味としてこの名前をつけたのではないのです。
プラグマという言葉はラブスタイル類型論というジョン・アラン・リーという人物が「the colors of love」という著書に記された6種類の愛の形態のうちの一つに分類されています。この単語の基本理念は”愛”で成り立っていて、愛を一方的に受け取るのではなく「与える努力」をすることがプラグマという言葉の示す概念です。
もしプラグマというヨーヨー自体が有名になれば私はプラグマ側からいろいろな愛を受け取ることになります。私はその愛を一方的に受け取るのではなく愛を与える努力が必要であると考えてこの名前にしました。

4.プラグマというヨーヨーの特徴

特徴は大まかに分けて3つあります。

1つ目は「回転力」です。シンギュラリティに続きプラグマも中空構造というステンレスとアルミ合金を接合する部分の中に空洞ができており、これを施すことにより外側に重心が寄り回転力が増すという仕組みです。さらにバイメタルですので回転力はモノメタルのヨーヨーと比べて段違いになっています。このおかげで一回投げただけで2分間技を連続して行うことができます。
ちなみに中空構造のおかげて65.6gという重さが実現できていますが、あの見た目で中空構造でなければ80g位の重さになってしまうのです。中空構造ってすごいですよね…

2つ目は自分のシグネチャーヨーヨーはヨーヨーの性能のみならず見た目においてもこだわっています。
具体的に申すと、ロゴやカラーバリエーションです。
プラグマのロゴは三上ジュンさんというデザイナーの方に制作していただきました。三上さんはプラグマのみならずシンギュラリティも含め、多数のヨーヨーのロゴなども担当しているものすごいお方なんです。
三上さんにいろいろ無茶な要望を聞いていただき実現しました。プラグマのロゴは先述したギリシャ語での「πράγμα」の単語をロゴに落とし込んでおり、非常にカッコいいものに仕上がっています。

3つ目はカラーバリエーションについてもこだわっています。
今までヨーヨーの市場にあまり出回らなかった色、それなのに見た目はとてもカッコいいというコンセプトでカラーバリエーションを選んでいます。
今回、そして前回ともに4色展開でそれぞれカッコいいものに仕上がっているので是非ご覧ぐたさい。
これらの点もプラグマの魅力、特徴であると私は考えています。

おわりに

少々長くなってしまいましたがプラグマについて書かせていただきました。少しはプラグマのこと、そして羽角伊弦について知っていただけたでしょうか。知っていただけたなら嬉しい限りでございます。

このヨーヨーは見た目、性能ともに高い位置にいると私は考えているのでコレクションをしたり、大会でモノメタルのヨーヨーを買ったお客様がステップアップとして使っていただいたり、先述したような緊張による体の弊害が起こるヨーヨープレイヤーは自分のみならず多い割合でいると感じているので大会に出場したいと検討している方にはぜひ手に取っていただきたいと思っております。

そしてこの度、ご縁がありまして、アクセサリーブランドである「Original Throw」のチームメンバーに加入させていただきました。


私はOriginal Throw ストリングのノーマル(Kitty String規格でいうとFat相当)をとても愛用しております。
さらに今回の新色プラグマの販売を記念してセットでの販売をさせていただくことになりました!

いづるおすすめアクセサリーパック

プラグマ単体でも十分に性能を発揮できるものとなっておりますが、個人的にはベアリングやパッドなどの周辺パーツを標準のものから変更することにより、より高性能なパフォーマンスをすることが可能であると考えています。
ですのでどのパーツがプラグマに合うかわからない方にとてもオススメなセットになっていると思います。

このプラグマでたくさんの人に愛されたり、喜ばせられることを切に願っています。
私はこのプラグマと共にヨーヨー業界を盛り上げていくこと、そしてプラグマがヨーヨーファクトリーの定番となる機種になることを目標に歩んでいけたら何よりの幸せです。

プラグマ商品ページ

羽角伊弦


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