- 「ベアリングが壊れたかも?」
- 「なんか回転が変…」
- 「スリープしなくなった」
- 「バインドセッティングなのに突然戻ってくるようになった」
そんなときは、ベアリングの洗浄をお試しください。
金属ボールベアリングを洗浄し、中の汚れやゴミを落とし、スリープ時間を延ばす方法です。一緒にベアリングのオイルを抜くので、脱脂とも言われます。
Q. ベアリングの洗浄はしないといけないの? A. ヨーヨーの性能を引き出し、長く使い続けるためには必要です。 特にバインドモデルのベアリングは、通常初期状態では「ドライ」という、全くオイルの入っていない状態で販売されております。 これは、オイルがついた状態で長期間保管することで、オイルが固まったり古くなることで回転を阻害することがあるためです。しかし、ドライの状態ではゴミやほこりなどがベアリング内部に入り込みやすくなり、また、その状態で使用することでベアリングの内部にキズが入り、壊れてしまう可能性がございます。そのため、バインド用ヨーヨーでは大きな異音を発したり、引いて戻ってきてしまうようになった場合、ベアリングの洗浄と、オイルの注油が必要となります。 この洗浄の頻度は、ドライの状態で使用している場合、環境や運にかなり左右されることもあり、数日で洗浄しなければならなくなることもあれば、数ヶ月洗浄無しでも問題ない場合もございます。 そのため、バインドモデルを使用する場合(特にドライでの使用)、必ずいつかはベアリングの洗浄が必要になってきます。 |
※注意
- 引火性の高い物を使用します。小さなお子様一人で行うのは大変危険ですので、おやめください
- 大人の方の場合も、十分に換気をしたうえで細心の注意を払って行ってください
- 作業は全て自己責任にてお願いします
用意するもの
- パーツクリーナー、ブレーキクリーナー
- ホームセンターなどで販売されています(1本300円~500円ほど)
- 洗浄用ボトル
- ピンセット
- ティッシュペーパー
- ベアリングが手ではずせない機種の場合は、ペンチまたはベアリングリムーバー
準備ができたら、いよいよ作業開始
1.ボディを分解する
2.ベアリングをはずす
3.ベアリングをティッシュで軽く拭く
4.洗浄用のビンにベアリングを入れる
5.ビンにパーツクリーナーをためる
ベアリング1個がしっかり浸る分だけ注入します。
6.フタを開けたまま1分ほど放置する
パーツクリーナーが揮発し、においがして危険なので、必ず換気しましょう。
揮発性が高いので、すぐにフタをしめると、開けたときに「ぽんっ」とガスが噴出することがあります。このように放置しておくことで、その噴出を防ぎます。
7.フタをしっかり閉めて1分ほど振る
ここであまりに勢いよく振ると、ボールベアリングの金属の硬さに負けて、ボトルが割れてしまうことがあります。
しっかり握りつつ、軽く振るようにしてください。
8.フタを開けてベアリングを取り出す
9.ティッシュで拭く
液体が手につくのが嫌な場合、ティッシュをもう1、2枚重ねると良い。とくにベアリングの表面をキレイに拭きとること。
10.ティッシュペーパーの上でベアリングを放置する
ベアリングの内部に浸透しているパーツクリーナーまでは拭き取れないので、1分くらい放置して揮発させます。
乾いたかどうかは、ベアリングをピンセットにさして、実際に回して確認しましょう。
ここまでで “ドライベアリング” の完成
ストリングトリック用ヨーヨーで、スペック欄に「バインド必須」と表記されたヨーヨーのボールベアリングは、ほぼすべてがこのオイルが入っていない状態になっており、これをドライベアリングと呼んでいます。
そもそもバインドとはなにか?それについては【バインドってなに?・バインドのやり方】をご覧ください。
※このまま使用すると回転音がうるさくなり、ベアリングの寿命が縮みますのでご注意ください。
11.ヨーヨー本体の軸回りや、スペーサーを拭く
またすぐに洗浄しなければ……ということにならないように掃除しておきましょう。特にスミの方には、意外とホコリがたまっていることがあります。
12.ベアリングにオイルを注入する
ドライベアリングのまま使用すると、回転音がうるさくなったりベアリングの寿命が著しく短くなったりします。
ベアリングの保護のためにもベアリングにオイルを注入しましょう。
13.組み立て直して、作業完了
ベアリングシールドの外し方
シールドを外すメリット
- 洗浄の効果が高まる
- オイルなどの被膜はうまく浸透しやすい
シールドを外すデメリット
- ゴミが入りやすい
- 外す際にベアリングを傷つける恐れがある
シールドは特につけ直さなくても大きな問題はなく、外したまま使用して問題ありません(スタッフのほとんどはシールドは付け直しません)
番外編:水道水で洗浄する
ヨーヨーのベアリングを洗浄する際、パーツクリーナー等の洗浄剤を使うのが一般的ですが、代わりに水道水で洗浄することもできます。
ここでは水道水でベアリング洗浄するやり方を紹介します。
- ベアリングがステンレス製の場合に限ります。まれに鉄製のベアリングを搭載しているヨーヨーもありますが、鉄製ベアリングを水道水で洗浄すると錆びてしまうので注意してください
- ステンレス製ベアリングでも、しっかり水分を取らないと錆びることがあります。また、水道水の成分が残ると、ベアリング不調の原因にもなります
- あくまで補助的な方法ですので、基本的にはパーツクリーナーで洗浄してください
- ストリングトリックオイルの完全な除去はできません
- 比較的安全な方法ではありますが、必ず自己責任で行ってください
1.ベアリングをはずす
2.ベアリングをピンセットや割りばし等に挿す
3.水道水にベアリングを当てて洗浄する
水圧を強めにして30秒から1分ほど、ベアリングの中を通すように(平たい面からベアリングの内部に当てるように)水道水を当てます。
4.水分を軽く飛ばし、全体を拭く
5.オイル注入またはドライ皮膜を施し、作業完了
よくある質問「ノンオイルで使ったほうがいい?」
競技大会などに参加するようなプレイヤーの間では、こちらで紹介したベアリングの脱脂・洗浄を行い、ドライベアリングのまま使用する方もいます。
しかし、これは本来のベアリングの使い方としてはイレギュラーなもので、ヨーヨーの世界以外ではベアリングをノンオイルで使うことはほとんどありません。ノンオイルの状態で使うと、ベアリング内部の金属同士が擦れて寿命は一気に短くなり、すぐに壊れてしまうこともしばしば。
特に最近のヨーヨーは高速回転するので、ベアリングにかかる負荷も高く、時には5分ほどで壊れてしまう場合もあります。
オイルは金属に油膜を作って保護し、ベアリングの動きを円滑にする役目を果たしてくれるので、本来はオイルをつけて使うほうが良く、そのほうがベアリングも長持ちします。
ドライベアリングでの使用は、それらを理解したうえでさらにスリープを延ばしたいという人向けのウラワザのような作業です。
当店ではノンオイルでの使用を推奨しておりません。YYFダークマターリューブやストリングトリックオイルなどでベアリングを保護することをおすすめします。
特にバインドヨーヨーのベアリングは、購入時ほとんどドライベアリングの状態なので、YYFダークマターリューブやYYF パフォーマンスオイル(ロングスピン)などのストリングトリック用オイルを、一緒にお求めいただくことをオススメしておりす。