ヨーヨーのチーム部門の話

ヨーヨーの競技では、個人で出場する部門が一般的です。
現在の世界大会のメインとなる部門は、1A〜5A部門が個人部門として設けられていて、AP(アート&パフォーマンス)部門のみ複数人での参加が認められています。

過去の大会をさかのぼると、複数人で出場する「チーム部門(チームプレイ部門)」という部門がありました。また、THPのデモではチームプレイの走りと言えるパフォーマンスを披露していました。

今回は、チーム部門について、過去の大会を振り返りながらご紹介したいと思います。

■BANDAIハイパーヨーヨーJSC時代

初めて複数人で出場できる「チームプレイ部門」が創設されたのは、第3回ジャパンチャンピオンシップ(JCS)の地区大会の時。
ハイパーヨーヨーオフィシャル認定店の代表という形で出場することになっていたため、場所によっては各認定店の中で代表を決めるミニコンテストを行っていました。
5人編成のチームで出場し、個人のトリックの難易度よりは、チームならではのトリックやフォーメーション、ユニークさが評価されていたと思います。
ちなみに、筆者である私荒牧は、この第3回JCS東京大会・全国大会で優勝した「チームうめこぶちゃ」のメンバーでした。

■世界大会

JCSでのチームプレイ部門の成功を受け、HPKのアラン・ナガオ氏は、自身がオーガナイザーを務める1999年世界大会でも団体部門を開催することを決意。1999年はプレシジョンチーム部門(4〜5人の少人数)とメガチーム部門(10〜12人の大人数)の二部門ありました。
プレシジョンチーム部門の優勝はTeam Heimlich(チームハイムリッヒ)、メガチーム部門の優勝はTeam Hooters(チームフーターズ)で、共にTHPハワイのメンバーによるチームでした。

世界大会ではその後、二種類あった部門は統合されて「チーム部門」となりました。2000年は人数制限が3人以上なら何人でもOKに。2001年世界大会はさらに緩和されて2人以上でOKというルールになりました。2000年世界大会の優勝はTeam Offstring(チームオフストリング)2001年世界大会の優勝はOut of America(アウトオブアメリカ)。しかしその後、2003年以降はチーム部門は廃止されてしまいました。

■UTYJ~JYYF

JCSが開催されなくなった後の日本でのチーム部門について。
現在の全国大会にあたるUTYJ Yo-Yo Competition(1999年~2002年まで開催)では、Vol.03の地区大会から、2人で出場する「ディオプレイ部門」が設けられました。
2人だけに限定することで、今までにない発想のコンビネーショントリックなどが作られました。Vol.03 Nationalの優勝は「センバヨー」、Vol.04 Nationalの優勝は「とみゅ~」。

それから9年後、JYYF主催で開催された2011年全国大会でチーム部門が開催されます。2~8人編成で2分間のフリースタイルというルール。当時、第3期ハイパーヨーヨーによって競技人口が増加したことも後押ししました。2011年(ヨーヨー魂が優勝)、2012年(44Princesが優勝)、2013年(石原大サーカスが優勝)の3年間チーム部門がありましたが、現在はなくなってしまいました。

 

現在は個人競技としての側面が強いため、チーム部門は出来てはなくなり、出来てはなくなり…という歴史を繰り返していますが、複数人で行うことの難しさは評価されるべき項目であり、面白いポイントでもあります。
例えばダンスやシンクロナイズドスイミングのように、複数人でやることにスポットライトが当たれば、再びヨーヨーでもチーム部門が行われるかもしれません。

 

最後に、チーム部門ではありませんがAP部門で行われた2人以上の演技の動画を掲載するのでぜひご覧ください!どれも見ごたえありです!

 

最後の最後におまけ!
2015年世界大会で行われたTHP/THP-JAPANによるチームパフォーマンスの模様!
第1期ハイパーヨーヨー世代の自分は胸が熱くなる光景です↓

目次