【れいレポ#002】 大会で100%の実力を出すために。[基本編(大会当日)]

みなさんこんにちは。リワインドスタッフの岩倉玲です。


岩倉が競技生活の中で経験してきた大会参加に関するコツや、フリースタイル作成に関するノウハウをブログ形式で紹介する「れいレポ」。

第2回は「大会で100%の実力を出すために。[基本編(大会当日)]」です。

前回「【れいレポ#001】 大会で100%の実力を出すために。[基本編(前日までの準備)]」は大会前日までの過ごし方や、事前に準備しておいた方が良い事をご紹介しました。
今回は大会当日の過ごし方や、競技参加の際に気を付けるポイント等をご紹介します。

前回同様「基本編」ということで、初めて大会参加する方や、まだ大会経験が浅い方向けの記事となりますが、大会常連組の皆さんにも何か参考になるトピックがあれば幸いです。

 

2023年の地区大会が3月まで開催されます。大会シーズン真っ只中!
https://2023jl.yoyocontest.jp/

目次

時間に余裕を持って行動する。

とても基本的な事ですが、大会では時間に余裕を持って行動しましょう。遅くとも、自分の出場部門の開始1時間~1時間半前には到着しているのが理想です。到着してからの荷物の整理や調整・練習、状況に応じたメンテナンス等を考慮すると、そのくらいあると気持ちに余裕ができます。気持ちの余裕が良いパフォーマンスに繋がります。

必ず用意するスクショ①
引用:http://www.jyyf.org/
必ず用意するスクショ②
引用:http://www.jyyf.org/

自分は演技順とスケジュールをスマホのスクリーンショット画像で保存しておき、すぐに確認できるようにしています。大会期間中はスマホのロック画面(待ち受け画面)を演技順に変えています。(ロックを外す⇒アルバムを見に行く時間・手間も短縮したい為)。

大会に持っていくと便利なもの。

ヨーヨーバッグに一式まとめておくと便利

メンテナンス道具/替えのストリング
本体だけではなく、メンテナンス道具や替えのストリングも持っていきましょう。特にストリングについては重要です。ベストコンディションでステージに上がれるよう常備しておきましょう。荷物がバラバラになると管理も大変なので、パーツケースにまとめたり、ストリングはヨーヨーと一緒のケースに収納しても良いかもしれません。

練習中は意識的に水分補給。

ミネラルウォーター
直前の練習・アップ時は勿論ですが、何より緊張で予想以上に喉が渇くと思います。500mlのミネラルウォーターを1,2本、手元に準備しておくと良いでしょう。大会中に買いに行くことも勿論可能ですが、無駄な体力消費・集中力の途切れを起こさない為に、会場からなるべく離れたくありません。予め会場到着前に買っておくのがお勧めです。

岩倉がいつも使用しているワイヤレスイヤホン

ワイヤレスイヤホン
大会出場選手の多くは会場でのフリースタイル練習時に、ワイヤレスイヤホンを使用しています。昔よりは手が出しやすい価格帯のものが増えた事もあり、大会出場には絶対に欠かすことができない!という選手も多くいるのでは。自分も最初に手に入れたときは練習効率のアップ具合に感動しました。

大会会場(特に選手練習場所がステージと同空間・同フロアの場合)ではスピーカーは基本使えませんし、ワイヤードイヤホンはコードがプレイの邪魔になる、ヘッドホンでも可能ですが、大きな動きを伴う演目だとズレたりする、という事でイヤホンが多いイメージです。

更に今シーズンから規定ベーシック・アドバンスのルールが変更になりました。流れている音楽の状況に合わせてトリックスタイルを移行していく形式になりましたので、ほぼ全ての競技参加者が使用するようになるのではないでしょうか。
但し、周囲の状況に十分注意しつつ使用するようにしましょう。

左:大会・パフォーマンスで使っているハンドタオル
右:使いすぎてボロボロになってしまったDUNCAN主催インターナショナル大会のタオル(お土産)

ハンドタオル
自分は結構汗をかきやすい体質なので特にですが、ストリングは腕や手の汗を吸いやすい素材。トリックのやりやすさに大きく影響してしまうので、必ずハンドタオルを持っていきます。汗をかいていると集中力も削がれますし、尚更です。
ハンカチよりも広範囲&吸水性のあるハンドタオルがお勧めです。あとは出番前に一度石鹸で腕・手を洗っておくのもお勧めです。渇く時間も考慮し、いつも自分は15~20分前くらいに一度洗います。

これまでパーカーはかなり重宝しました。
最近発売したREWINDコーチジャケットは、動きやすい+脱ぎ着がしやすいのでオススメです。

パーカー等、室内ですぐ羽織れるような厚手の衣類
特に地区大会開催期間の前半はかなり寒い季節。予選や規定部門の時間帯はまだ暖房が効いていないことが多く、基本会場が寒いです。身体を冷やすと明らかにパフォーマンスが落ちるので、パーカーやジャージ、コーチジャケット等、室内ですぐに脱ぎ着できる衣類を持っていくのがお勧めです。春後半から夏に開催されている全国大会や世界大会も、選手練習用スペースは冷房が強く(特に世界大会の練習会場はいつも極寒)、自分はどの大会でも必ず持参しています。

ヨーヨーバッグを使う場合、予備ヨーヨー以外は取り出し
&交換しやすい置き方に。
2019年まではこの形がポピュラー。
世界大会も同様でした。
勿論、床に直接置いてもOK
引用:https://www.facebook.com/jyyfofficial/photos_albums

予備ヨーヨーを運ぶ&置くトレー や専用バッグ
フリースタイル部門において、2019年シーズンまでは予備のヨーヨーを置く為のトレーを選手間で共用で使用していました。しかし2020年以降は感染症対策の為、トレーを共用で使用することはなくなりました(2023年1月時点)。
トレーの代わりに、自分のヨーヨーバッグを予備ヨーヨー入れとして持っていきましょう。スポンジ式のバッグの場合は、ヨーヨーを円形スペースに収めるのではなく、画像のように円形スペースの上に置くような形の方が、スムーズに交換できます。予備・本番用以外のヨーヨーは、この時だけは取り出しておきましょう。
もしくは予備のヨーヨーを多めに準備しておきたい人(特に4A部門に出場する選手)は、自分専用のトレーをこの際持参しても良いかもしれません。手で持ってステージに上がっても良いのですが、移動が楽なのと、交換もヨーヨーバッグに入った状態よりは個人的にスムーズにできる印象があります。

(余談:写真用にトレーに乗った状態のヨーヨーを準備しましたが、大会直前の記憶が蘇りめちゃくちゃ心がソワソワしました。10年以上に渡る刷り込み…。)

「自分より周りがみんな上手く見える…」←わかる

大会あるあるです。会場に着くと自分より周りのレベルがかなり上に見えて、自信が無くなる・プレッシャーが増す現象。

実は自分も最初はめちゃくちゃ感じました。初参加大会(UTYJ04 ナショナル) では、周りの目を気にして、会場でヨーヨーをちょっと振るのも遠慮してしまった記憶があります。自分だけではなく、話を聞くと岡田や城戸も似たような経験をしています。

逆にそのくらいみんな思うことなので、あまり気にしないようにしましょう。一番大事なのは、ステージで自分の練習の成果をしっかりと出すこと。そのことに集中しましょう。「周りが自分よりヨーヨーが上手いかどうか」と「これから実施される競技の順位」は必ずしも一致しません。あまり気にせず、練習エリアでは存分に自分の練習をしましょう(勿論周りの選手と場所を譲り合いながら)。

ステージに上がる直前。

・自分の演技10~15分前くらいにはいつでもステージに上がれる用意を済ませておきましょう。出場人数にもよりますが、選手待機エリアで自分の出番を待つことになります。ヨーヨーのコンディション、披露するトリックの最終調整をここで行います。

・体質にもよりますが、ステージ直前は緊張から特に汗をかいたり喉が渇いたりします。手元にハンドタオルとペットボトルが1本あると安心です。更にステージ上は照明の熱でより熱くなるので、自分はいつもステージに上がる直前に、水を一口飲むようにしています。

ステージに上がったら。

予備のヨーヨーを置いて(規定部門の場合は各スタイルのヨーヨーを準備して)、気持ちを落ち着かせましょう。

ただし、ここで注意点が2個あります。

基本的に本番・予備のヨーヨー以外はステージ上への持ち込みはルール上禁止されています
(詳細は下記図の通り)。

引用:http://www.jyyf.org/fsrule


そして個人的にやっておいた方が良いと思うのが
・ポケットの中を全て取り出して演技に臨むこと(財布やスマホ等の貴重品はステージ脇に置いてOK)
・首掛けの入場パスケースは、忘れず首から外すこと

の二つ。ポケットが膨らんでるとトリックの邪魔になることもありますし、シンプルに気が散ります。首掛けパスケースはかけっぱなしだと存在を忘れてしまうことも(2006年の世界大会予選でパスを付けたまま規定トリックを2,3個進めてしまった経験があります。今思うとゾッとする…)。
せっかく練習してきたトリックが、これが原因で失敗!というのは勿体無さすぎるので、ヨーヨーのプレイに集中できるよう、万全の体制でステージに上がりましょう。

②ステージに上がったら、演技開始までは調整含めヨーヨーを振ることはできません(詳細は下記図の通り)。

引用:http://www.jyyf.org/fsrule

ついついストリングの調整や手持ち無沙汰でスローしてしまいそうになりますが、ヨーヨーはプレイせずに待ちましょう。
上記にも書いてある通り、ステージに上がったら次にヨーヨーをスローするタイミングは演技開始時です。ストリングのヨリはステージ下で忘れずしっかり調整しておきましょう。

予備ヨーヨーの置き方とテーピングに注意。

予備ヨーヨー準備パターン①
予備ヨーヨー準備パターン
予備ヨーヨー準備パターン

予備のヨーヨーが登場するのは「失敗したときの交換」 or 「規定トリック競技のスタイルチェンジ時」です。ヨーヨーを素早く指に装着できるよう、フィンガーホールは広げた状態で置くようにしましょう。大会常連選手だと、フィンガーホールの大きさ・向きにもこだわっている人も多いです。

テーピングをした状態から、素早くストリングを外せるか確認しておきましょう。

テーピングを普段している人は、素早くストリングが外せるか試してみましょう。ルーピングトリックなどで長時間練習した後だと、ストリングが食い込み、中々スムーズに外せないときもあります。本番のステージで行う動作をトリック以外にも想定しておくと、安心できる材料が増えます。

ジャッジは「敵」じゃない。

「真ん中の人だけ目つき悪くない…?」

引用:https://www.facebook.com/jyyfofficial/photos_albums

審査員の立場から特にお伝えしたいんですが、自分は勿論、他のジャッジメンバーも全員、「選手が自分の100%を出し切る演技を披露すること」、「本番でトリックを成功させること」をめっちゃ願っています。ステージに上る全員を(審査員なので勿論平等に)応援しています。

しかし審査員なので、選手が何十時間・何百時間を費やしてきた演技・トリックひとつひとつを見逃さず、公平な視点を持ちつつ、しっかり評価しなければならない、という立場があります。プレッシャーや責任も感じながらジャッジ席に座っています。選手へのリスペクトがあるからこそ、審査も真剣勝負の場です。

なので表情が険しかったり、目が怖かったり、人によっては「圧迫面接ぽくて威圧感がある、、」と思われてしまうかもしれませんが、気にせずご自身の演技に集中してください。特に岩倉はドライアイ気味&目つきがあまりよろしくないので「めっちゃ睨んでくるやん」とよく思われがちですが、真剣に演技を見ているだけで心の中では選手のみなさんを応援しています。。自信を持って、どうか演技に臨んでください。

ジャッジはあくまで審査員であって、「敵」ではありません。公平な審査を心がけつつ、選手全員が自分の100%をステージで出し切れるよう願っています。

最初はこれだけで100点。

大会初参加や、まだまだ大会経験が浅い時は、「ステージに上がる。ヨーヨーをプレイする。それだけで100点。」くらいの気持ちで臨んでOKだと個人的には思います。緊張しながらも競技に参加した自分を褒めてあげましょう。

もしかしたら本番はボロボロ、練習の成果が全然出せなかったかもしれません。そういう時こそ大きなステップアップの一番のチャンスです。悔しいと思う気持ちは真剣に取り組んだ証拠です。次回の大会参加、ヨーヨー競技自体へのモチベーションに変えていきましょう。

まとめ

後編は大会当日の過ごし方に注目してみました。「練習してきた事を100%本番で発揮する」を目標として設定し、そこから逆算して。その為に準備していくもの・適切な当日の過ごし方を決めていく、というのがテーマでした。

最初のうちは緊張もあり、勝手がわからずバタバタしてしまうこともあるかもしれませんが、これからのシーズン、大会に参加される皆さんの参考になれば幸いです。

今後も競技やフリースタイルについてのヒントや考え方をテーマに、この「れいレポ」を更新していく予定です。

引き続きチェックしていただけると嬉しいです。

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この記事を書いた人

C3yoyodesign / SPINstAr所属。7度のヨーヨー世界チャンピオン、8度の全日本チャンピオン、そして世界最多公式大会優勝記録を持つ超人。日本ヨーヨー連盟ヘッドジャッジも務める。ヨーヨーの歴史にも造詣が深い。パフォーマーとしての顔も持ち、国内外の大道芸フェスティバル・ストリートパフォーマンスイベントに出演。自身のシグネチャーモデル「フローレス」「フローレスエア」「コントレイル」好評発売中。
好きなヨーヨー:フローレス、フローレスエア、コントレイル

Twitter: @Rei_4A
Instagram: @rei4a

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