【れいレポ#001】 大会で100%の実力を出すために。[基本編(前日までの準備)]

こんにちは。リワインドスタッフの岩倉玲です。

全日本ヨーヨー選手権地区大会の2023年シーズンが、もう間もなく始まります。

全日本ヨーヨー選手権地区大会
https://2023jl.yoyocontest.jp/

今シーズンが初めての大会参加という方も沢山いらっしゃると思います。初の大会参加だと、

・どうやって本番に臨めば良いのか?
・どんな準備をしたら良いのか?

等、わからない事や、不安な事もあると思います。

そこで今回は大会に臨むための準備方法や、本番で実力を100%発揮するために自分が心がけてきた事をご紹介します。
ヨーヨー競技に本格的に取り組むようになって約20年。沢山の方の支え・応援のおかげで、7回の世界チャンピオンタイトル・8回の日本チャンピオンタイトルをこれまでに獲得する事ができました。

それらの結果を得る為に、今まで様々な試行錯誤を行ってきました。そこで得てきたノウハウを、初めて競技に参加する人は勿論、今まさに世界一を目指している選手に向けてシェアすることで、沢山の人達が大会を楽しめる・大会で活躍できる・結果的にヨーヨー競技全体がもっと盛り上がることに少しでも貢献できればと思い、この記事を書かせていただくことにしました。

第一回目の今回は「大会で100%の実力を出すために。[基本編(前日までの準備)]」です。大会前日までにやっておいた良いと思うこと列挙しています。

主に大会参加は初めて or 数回だけ、という方向けの記事ですが、大会常連組の方にも何かの参考になれば幸いです。

目次

健康でいましょう

見るからに健康な城戸。


いきなり超一般論的な項目ですが、割と本気で気を付けている事です。昨今のご時世もありますが、特に地区大会前半の開催時期は寒くて体調を崩しやすい季節。特に1週間前からは、練習も大事ですが身体のケアに気を付けましょう。

そして大会は思ったより体力勝負です。ステージ上での数分間だけではなく、前後の練習、会場までの移動、基本的に立っている・動いている時間も多いので、意外と1日で体力を消費します。体力に加えて更にメンタル面も同様です。特に大会経験がまだ少ない方にとっては、慣れない環境や初めての事も多く、何より緊張も大きいと思います。

ベストコンディションを大会で維持できるよう、しっかりとした食事・睡眠を心がけましょう。あと身体のケアという点では、自分は必ず大会2日前からは夜はシャワーだけで済ませず、浴槽に浸かるようにしています。特に前日の睡眠時間確保は重要です。前日に過剰に練習し過ぎるのも、あまりお勧めしません。更に言うと、前日までに十分な練習を積んだ状況ならば、直前に猛練習しても劇的にそこから上手くなることはほぼ無いです。あまり焦らず、自分を追い詰めず、最終確認・調整程度に済ませましょう。思わぬケガも避けたいところです。(岩倉は2017年 全国大会の前日に爪を盛大に割り、痛い目を見ました)

ちなみに写真は雪の北海道でも半袖で笑顔の城戸です。健康炸裂。

学業や仕事を調整しましょう

「あとは任せたぞ!月曜日の自分!」の図。


10年以上一般企業に勤めながら競技者を続けてきましたが、これも非常に重要な準備項目のひとつです。前後に大きな仕事や試験がある場合、出来る限り早めに準備・調整を完了させておきましょう。キリの良い所までを目途をつけ、最低限、大会前日の夜から当日は集中できる状態をつくるのが理想です。場合によっては職場に事前に大会に参加する事を伝えておいて、調整を利かせてもらうのも手です。

勿論、本業を疎かにしない事が大会参加の大前提です。本業あっての楽しいヨーヨーライフだと思うので、各個人で無理のない範囲を見極めつつ、競技に臨むことのできる環境を整えましょう。

消耗品は余裕を持って準備しましょう

気付いたら無くなってるストリング。大会前は補充必須。


ストリング、パッド等の消耗品は余裕をもって準備しましょう。特に大会が近くなるほど練習時間も多くなるので、消費・消耗も激しくなります。大会当日になって「替えのストリングがあと数本しかない!」という状況はかなり心もとなく、精神的プレッシャーは練習・本番の双方のクオリティを下げる要因にもなります。

消耗の激しいストリングやパッド以外にも、ベアリングが壊れてしまう可能性も考えられます。いつも練習で使い慣れたセッティングの道具を、なるべく早い段階で余裕をもって準備してけば、不測の事態にも対応できます。

本番では練習と同じヨーヨーを使いましょう

練習を共にしたヨーヨーと一緒にステージへ上がりましょう。


緊張している状況だと、ヨーヨーのコンディションにおけるほんの少しの違いもプレイに影響します。ましてやそれが違う機種だったら尚更です。練習で使い慣れたヨーヨーを使うようにしましょう。前日に手に入れた最新機種で臨む!というのは確かにテンションが上がる参加方法ですが、個人的には使い慣れた、せっかくなら練習を共にしたヨーヨーと一緒にステージに上がることをお勧めします。

もっと言えば、練習時と同じストリング・同じパッド・(5Aスタイルなら)同じウェイトを使う事で、より練習の成果を本番で発揮できると思います。

予備のヨーヨーも準備しましょう

予備が有れば絡まっても安心。


大会本番は予想外のことが起きます。練習では経験したことが無いようなミスから、絡まって交換を余儀なくされる事もあります。僕も今まで大きなミスを本番で沢山してきました。

ミスしてしまうことは決して悪い事ではありません。大切なのは、ミスしてしまった時にしっかりと対応する、対応できるための準備をしておくことです。ステージ上で交換が必要になった場合の予備ヨーヨーも、用意しておくのがお勧めです。可能であれば、予備のヨーヨーも同じ機種を準備しておきましょう。

メンテナンスは前日のうちに済ませておきましょう


意外と当日はバタバタします。本番前に慌ててメンテナンスをすることはお勧めしません。ベアリング洗浄、紐やパッドの交換等、しっかりメンテナンスをしようと思うと結構時間がかかります

会場での調整・練習に使える時間を増やすメリットもありますし、会場に着いたらすぐベストコンディションのヨーヨーがプレイできるように、メンテナンスは前日に済ませておきましょう。

当日と同じ服装/衣装で練習してみましょう

柔道場でもこの格好で練習する人。


演技を通してみたら、実は動きにくい/やりにくい技があったり、技によっては服の裾などにひっかかってしまう事もあります。少なくとも本番当日までに、数回は当日と同じ服装・衣装で演技を通してみて、問題なくトリックが実施できるか確認しましょう。

大会参加の服装については勿論自由・特に規定はありませんが、ジャケットやオーバーサイズの服・長袖のYシャツ等は、ヨーヨーやストリングが生地やボタンに引っ掛かりやすく、演目内容によっては避けた方が良いかもしれません。(演技コンセプトや使用楽曲の都合上、譲れない場合はそのままでOK)

また多くの大会会場は土足です。大きく動くような演目、足を上げるようなトリックを予定しているのであれば、本番用の靴も併せて確認しておくのが良いでしょう。

「練習で決まらない技は、本番でも決まらない」を心得ましょう

200回やって1回しか決まらない技は、構成から抜きましょう。

https://www.youtube.com/shorts/tLaeikHRXIw


経験上、練習で決まらないトリックは本番では絶対に決まりません。「練習では決まったこと無いけど何らかのパワーが働いた奇跡の1回…!!いっけー----!!!」は基本的に失敗します。↑の画像が待ち受ける結末です。「決まっても決まらなくても、この技に本番でチャレンジすることに価値があるんだ!」という方以外は、練習段階で決まるトリックを見極めましょう。

演技序盤でトリックが決まってくれば、気持ちに余裕が生まれ、中盤から後半にかけてのメンタル面で大きなメリットになります。いわゆる気持ちがノッてくるというやつです。逆に前半ボロボロの場合、後半で気持ちを切り替えるのはトップ選手でも苦労します。

また成功率が低いトリックが入っていると、そこに意識が削がれ、成功率の高いトリックにも悪影響を及ぼします。
どうしても決まらないトリックは、思い切って規定トリックの選択 or フリースタイルのレパートリーから外すのも勇気です。

大会公式サイトを良く読み込みましょう

見落としてた項目はありませんか?

開催日程、場所、スケジュール、ルール等を、もう一度ホームページで確認しましょう。ルールも大枠のイメージだけではなく、しっかり読み込むことをお勧めします。大会会場には余裕をもって到着するようにしましょう。

大会規約やルールについても、「思っていたルールと違った!」「え、事前にコレをしておかなきゃダメだったの?」等、当日その場で予測を裏切られるのはメンタル的にきついです。シンプルに焦ります。大会後もルールをよく理解してないまま結果を見たら、勘違いから余計な不満を持ってしまうかもしれません。

また参加者側が大会規約やルールを理解していることで大会側もスムーズな運営を行うことができます。参加者側としても落ち着いて競技に臨む事ができるので、結果的に自分が得をします。Win-Winです。

…更に言うと「大きな大会に参加予定!練習も準備万端!」という状況で、「実は大会の日程を間違えていて、結局参加できなかった…。」という事例を知っています…。念の為、もう一度大会のページを見返してみて下さい。

全日本ヨーヨー選手権地区大会 (JYYF公式サイト)
https://2023jl.yoyocontest.jp/

まとめ

以上、今回は基本編(前日までの準備)をご紹介しました。

中には「当たり前じゃん!」と思われる事もあったかもしれませんが、その当たり前を徹底する事が、最後の最後、1トリックの成否を分けるかもしれません。凡事徹底。

そして今回の項目全てに言えることですが、「道具・フィジカル・メンタルに余裕を持った状態を作り、大会当日に向けてベストコンディションを用意する」ことが共通のテーマです。特に大会参加が初めてという方の中には、緊張や不安が決して小さくない方も多いと思います。予想される不安要素を出来る限りつぶし込み、安心して大会に臨みましょう。
そうすることで、良い結果や大会後の満足感につながると思います。そして何より、大会を存分に楽しむ事ができます。

まずは準備編ということで公開させていただきました。参考にして頂ければ幸いです。

次回:基本編 (大会当日)。近日公開予定。

補足:ブログタイトル[れいレポ]について

元ネタは弊社社長の三居が2002年頃にブログで公開していたコラム「みいレポ」です。

この記事と同じように、フリースタイルを作る際の心構えや、大会参加の為のノウハウが、当時のミイ君視点で書かれていました。自分の競技やフリースタイルに対する考え方の根本は、かなりこの「みいレポ」に影響されています。初めて大会に参加する際は何度も読み返しました。

20年経過した今、みいレポの考え方からスタートして、自分なりの経験・経歴を積んできた自分が公開するコラム、ということで、「れいレポ」という名前を付けました。

今後も不定期に「れいレポ」は続けてきますので、引き続きチェックしてもらえれば嬉しいです。

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この記事を書いた人

C3yoyodesign / SPINstAr所属。7度のヨーヨー世界チャンピオン、8度の全日本チャンピオン、そして世界最多公式大会優勝記録を持つ超人。日本ヨーヨー連盟ヘッドジャッジも務める。ヨーヨーの歴史にも造詣が深い。パフォーマーとしての顔も持ち、国内外の大道芸フェスティバル・ストリートパフォーマンスイベントに出演。自身のシグネチャーモデル「フローレス」「フローレスエア」「コントレイル」好評発売中。
好きなヨーヨー:フローレス、フローレスエア、コントレイル

Twitter: @Rei_4A
Instagram: @rei4a

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