ルーピングトリックの練習方法

『とにかくループが苦手!』

そんなヨーヨープレイヤーたちの魂の叫びが聞こえてきそうな、ルーピングトリックの厚いカベ。ここは、一緒にルーピングの基本トリック「ループ・ザ・ループ(インサイド・ループ)」を練習してみましょう、というページです。いろいろなコツや、練習方法を知れば、このルーピング初心者が最初にぶつかるカベとして悪名高いトリックも、いつの間にかできるようになるかもしれません。

また、ほかの代表的なルーピングトリックについてもコツを紹介していますので、すでにループ・ザ・ループ(インサイド・ループ)ができるという方にも役立つ情報があるかもしれません。

ルーピングの練習はひたすら野球などにおける「素振り」を繰り返すイメージです。本来は体が知らない動きを、素振りによって叩き込みます。ハイパーヨーヨーでもループ・ザ・ループはスーパーレベル収録トリックの中でも最高難易度と紹介されており、そのハードルの高さがうかがえます。

しかし人気の高い、憧れるプレイヤーの多いスタイルでもあります。1個1個のトリックが、他のスタイルとは比べものにならないくらい派手さがあり、その魅力にひかれる人は決して少なくありません。なにより多くのルーピングトリックの構造はとてもシンプルなので、ストリングトリックのような複雑なヒモの絡みを覚えたり、解読したりという面倒な手間がほとんどありません。単純明快、繰り返しただけ上手くなるという性格が強いスタイルなのです。

ツーハンドルーピングのフリースタイルはこんな感じ。いつかこんな風に決められたらなぁ、と憧れている方は多いのではないでしょうか。

>>2019年 世界大会2A(ツーハンドルーピング)部門優勝 ヤマモトタクマ選手

そんなあなたのために、ルーピングトリックを練習する上で役立つコツをお教えします。とはいっても、これらを知ったからといってすぐルーピングができるようになる訳ではありません。これらを踏まえた上で練習することが大切です。

まずは第一歩を踏み出すべく、ループ・ザ・ループ(インサイド・ループ)を集中特訓です!
そこから他のルーピングトリックの練習へと続きます。
ビデオとポイントを一緒に見ていきましょう。

1.ルーピングトリックにはルーピングトリック用のヨーヨーなのだ!

ストリングトリック用のヨーヨーでは、ルーピングトリックはかなり難しいです。効率よく練習をするためにも、ストリングトリック用ではなく、ルーピング用のヨーヨーを用意しましょう。数が多くてなかなか選べない……という方は、こちらでオススメのルーピング用ヨーヨーを紹介していますので、参考にどうぞ。

2.ルーピングトリックは腕じゃなく手首を使うのだ!

最初のうちは、どうしても大きく腕を振り回してしまいますが、それでは上手くヨーヨーをコントロールできません。手首のスナップをつかいましょう。腕が動いていないつもりでも、実は結構余分な力が入っていることがあるので、鏡の前で練習してみて、自分の腕の動きと、ビデオの人との動きを比べてみると良いでしょう。

自分は腕が動いてしまっていないか、このビデオと比べてみてください。


【写真2】カラの500mlペットボトルなどを脇にはさみ、落とさないようループ・ザ・ループをする、というユニークな練習方法も。腕を動かさない感覚をつかめる。

3.ループ・ザ・ループ(インサイド・ループ)は「まっすぐ」飛ばせば安定するのだ!

手首が動くようになってきたら、次はヨーヨーを「まっすぐ」飛ばすよう練習です。最初のフォワード・パスのとき、左手でまっすぐ指さした方向に、ヨーヨーが飛ぶようにしましょう。その後のループ・ザ・ループでも、ヨーヨーが常にまっすぐ飛ぶようになれば、やりやすさも見た目もグンと良くなります。

ヨーヨーの軌道が「まっすぐ」前に飛んでいるのがわかるでしょうか。ストリングが短すぎると上に向き、長すぎると下に向きます。また、ギャップが広すぎると上に向き、狭すぎると下に向きます。基本的にはストリングの長さを調整し、ギャップ調整ができる機種(ループ720ループ2020ループアップなど)は、ギャップもコマメに調整してみましょう。このセッティングがすごくやりやすい!とまでいければ、また一段と上達が早くなるかもしれません。ちょっとくらいなら上に上がっても下に下がっても問題無いので、最後は自分が一番ループ・ザ・ループをしやすい角度で練習しましょう。

4.ループ・ザ・ループ(インサイド・ループ)は1時もしくは11時の方向に傾けるのだ!

ループ・ザ・ループ中、実はヨーヨーはピンとまっすぐ立っているワケではありません。右手の場合は1時、左手の場合は11時の方向に傾いているものなのです。それを意識してループ・ザ・ループをしていると、1時(もしくは11時)の方向に傾いたとき、ヨーヨーがキレイにループするのがわかってきます。ある程度ループ・ザ・ループの感覚をつかんできたら、ヨーヨーの傾きを維持するよう意識していきましょう。


【写真3:ループ720(ヨーヨーファクトリー)】ループ・ザ・ループの間、ヨーヨーはまっすぐではなく、傾ける。右手のヨーヨーは1時、左手のヨーヨーは11時が一般的。

5.ループ・ザ・ループはコマメにヨリ調整をするのだ!

ループ・ザ・ループは、やっているうちに、右手だとヨリがだんだんゆるく、左手だとだんだんキツくなってきます。50回、100回と続けていくと、ヨリの変化のせいで、だんだんとやりにくくなってしまうので、ある程度回数を続けたら、一度キャッチしてヨリを戻しましょう。これは、ホップ・ザ・フェンスなど、手首でヨーヨーが反転するトリックすべてに共通します。(ホップ・ザ・フェンスの回転方向の場合、右手だとヨリがだんだんキツく、左手だとだんだんゆるくなっていきます)


【写真4:ループ720(ヨーヨーファクトリー)】右手でループ・ザ・ループを続けると、このようにヨリがゆるくなる。いきなりヨーヨーが外れたりしてキケンなので、ヨリを戻すこと。

ヨリの戻し方・調整の詳しい方法は、こちらを参考にしてください。

6.ルーピングトリックは少しずつ回数を増やすのだ!

派手なスタイルですが、練習は慎重に、ゆっくり行いましょう。まずは1回、続いて2回、3回、5回、10回と、少しずつ回数を増やします。ただし、10回が出来れば30回、30回ができれば50回、50回が出来れば100回が見えてきますので、ある程度出来るようになったら「○○回を10連続で成功させる」もしくは「ヨーヨーが止まるまで延々と続ける」という練習方法に移るのがオススメです。

ここまでが、ループ・ザ・ループの大まかなコツです。ループ・ザ・ループをマスターしたら、ほかのルーピングトリックも練習していきましょう!ここではオーバー・ザ・フェンス(プラネット・ホップ)、ホップ・ザ・フェンス、ダブル・ループに挑戦です。それぞれのトリックのビデオも、一緒に見ていきましょう。

7.ホップ・ザ・フェンスも1時か11時の方向に傾けるのだ!

ループ・ザ・ループと同じコツです。これは前方向に行うホップ(パンチング・バッグ)、上方向に行うホップ(バーティカル・パンチ)でも同様です。

このビデオの正面からの部分に注目してください。ヨーヨーが少し傾きながらホップしているのがわかります。

8.ホップ・ザ・フェンスは「前へ」なのだ!

ホップ・ザ・フェンスはどうしても手前に傾きがちです。しかしそうなるとすぐにコントロールできなくなり、失敗してしまいます。ということで、ホップ・ザ・フェンスは「前へ」を意識しましょう。力を抜いて、軽く前に押し出すようにプレイします。

ビデオではヨーヨーの軌道が真下なので、実際にやってみる時にも下へ下へとやってしまいがちです。しかしそうしてしまうと、やはりヨーヨーが手前に傾いていって失敗します。自分の足元から1メートルくらい先を目がけてホップ・ザ・フェンスをすると、ビデオのようにキレイな真下への軌道になります。

9.オーバー・ザ・フェンス(プラネット・ホップ)にはストリングトリック用ヨーヨーなのだ!

実はルーピングトリックは大まかに分けて3種類あります。1つはアラウンド・ザ・ワールドサイドスローピンホイール(フェニックスホイール)のような、スリープさせているのをそのまま回転させるもの。1つはループ・ザ・ループやアストロ・ループ(アウトサイド・ループ)のような、ストリングが伸び縮みしつつヨーヨーが手元で反転する(ヨリが変わる)もの。そして1つはオーバー・ザ・フェンスやリーチ・フォー・ザ・ムーンのような、ストリングが伸び縮みはするがヨーヨーは反転せず(ずっと続けていてもヨリが変わらない)、ヨーヨーが弧を描くものです。このヨーヨーが反転しないオーバー・ザ・フェンスのようなルーピングトリックは、実はフレイムウイングなどのような、戻りの良い=引き戻しのストリングトリック用のヨーヨーの方がやりやすいのです。

ちょっと裏技的なヨーヨーのチョイスですが、いち早くオーバー・ザ・フェンスのコツを掴みたいというのであれば、試してみる価値アリです。なかでも幅が狭めのストリングトリック用ヨーヨーがオススメなので、ハイパーヨーヨーのフレイムウイングマーキュリー、ヨーヨーファクトリーのスピンスターのような機種がオススメです。

10.ダブル・ループは利き手ではない方のループ・ザ・ループ(インサイド・ループ)とダブル・フォワード・パスからスタートするのだ!

両手でも慎重に練習することを忘れてはいけません。まずは利き手ではない方でループ・ザ・ループを確実に。10回も続くようになれば、ダブル・ループへの道が開けてきます。両手でスローすると突然不安定になってしまう場合は、両手でのフォワード・パスを繰り返し練習します。

同じように、ミルク・ザ・カウ(ツーハンド・ホップ・ザ・フェンス)は、両手でのスロー・ダウンからスタートしましょう。

右手→左手の順の方がやりやすい人、左手→右手の順がやりやすい人、同時の方がタイミングが取りやすい人などは個人差がありますので、両手での練習は、いろいろなパターンの練習方法を試してみましょう。

ダブル・ループについて詳しくは、こちらのルーピング講座もご覧ください。

ルーピングの “効能”

ルーピングをこなしていると、トリックがキレイになり、まっすぐ投げられるようになるという効能があります。ルーピングは常にストリングがたるまないようトリックをこなしていくので、自然と無駄なストリングのたるみが無くなっていくことと、スリープが短いルーピングヨーヨーで、アラウンド・ザ・ワールドのようにスリープが必要なトリックをこなすことが、大きな要因です。
この効能は、他のスタイルで生きてきます。トリックがキレイに、かつまっすぐに投げられれば、ヨーヨーの性能を最大限に発揮することができ、さらに複雑で、高難度のトリックに挑戦できるようになります。他のエクストリームなスタイル(オフストリング、カウンターウェイト)にも、すぐに馴染めることでしょう。これらを踏まえると、ルーピングはいわばヨーヨーの基礎体力を身につけるための「筋トレ」のようなものと考えられる、と思ってもらうのが自然かもしれません。

まずは片手。そしてちょっとずつ!

ルーピングというと、両手で!ダイナミックに!シュバァ───ン!!!のような理想を思い浮かべてしまい、とてもじゃないけどあそこまでは無理……また、実際にやってみても「ちょこっとしかできない」「まったくできる気がしない」と、最初から諦めてしまう方がいます。しかし、片手でも、ちょこっとでも、ルーピングはルーピングなのです。まずは合間合間に少しずつで良いので、ループ・ザ・ループ1回から挑戦してみてください。まずは1日1分から!……すると、1回、2回しかできなかったのが、いつの間にか5回、10回とできるようになっているはずです。このページのコツを頭に入れた上で、もう一度だけ、ルーピングにトライしてみてください。

インサイド・ループの世界記録は何回?

一度習得すれば何回でも繰り返せるインサイド・ループですが、実際に何回くらいできるのか?当店スタッフの荒牧が1万回にチャレンジしました。ヨリの変化の問題もありますが、“ある方法”を使って世界記録に挑戦しているのでご覧ください。

挑戦に関してのBLOGはこちら

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